マンションのスケルトンリフォームは、既存の間取りを大きく変えながら設備を一新できるなど、自由度の高さが魅力的な工事方法です。
ただし、内装をすべて撤去する大掛かりな内容となるため通常のリフォームに比べ費用が高額になります。
当記事では、マンションのスケルトンリフォームにかかる費用相場やコストダウンのコツ、工事の注意点を解説します。適正な価格で快適な空間を手に入れたいとお考えの方はぜひご覧ください。
マンションのスケルトンリフォーム費用相場
スケルトンリフォームは、内装や間仕切り壁、給排水や電気設備などの既存物をすべて取り払い、建物の躯体(骨組み)だけの状態にしてから新しく工事を行うリフォームを指します。
それではさっそく、マンションをスケルトンリフォームした場合の費用相場を見ていきましょう。
平米単価と価格イメージ
マンションをスケルトンリフォームする際の一般的な平米単価は10~20万円程度で、面積ごとの価格イメージは以下の通りとなります。
60平米:約600万円~1200万円
70平米:約700万円~1400万円
80平米:約800万円~1600万円
90平米:約900万円~1800万円
首都圏マンションの平均的な広さは60~70平米程度と言われるため、スケルトンリフォームの全体費用の相場は600万円~1400万円程度と考えられます。
実際の工事価格は、内装デザインや導入設備、物件の状態によって大きく異なり、近年の物価高や人件費高騰の影響も少なくないでしょう。強いこだわりを実現させようとする場合は数千万円に及ぶケースもあります。リフォーム費用の内訳
マンションのスケルトンリフォームにかかる費用は一般的に以下の内訳で構成されます。
・本体工事費:解体工事、設備配管・電気配線工事、断熱工事、内装工事
・住宅設備機器;システムキッチン、ユニットバス、洗面台、トイレなど
しかし、既存の内装を解体した後、コンクリートに激しい凸凹が見つかり補修が必要になった場合、マンションへの各種届出や申請を代行依頼する際などは別途費用が発生するケースがあります。
また、工事期間中もマンションの管理費や修繕積立費、固定資産税が発生することを念頭に置かなくてはなりません。さらに、入居後の家具家電費なども計算に入れ、総予算を把握しながら工事にかける費用を算出することが大切です。マンションのスケルトンリフォームで工事費用を抑えるコツ
マンションリフォームで工事費用を抑えるために「理想の設備やインテリアをあきらめて減額に徹する」という方法もありますが、それでは後悔につながってしまう可能性が高いでしょう。
理想を実現しながらコストダウンを叶えるコツを紹介します。国や自治体によるリフォーム支援制度はマンションに対応するものも多く、活用すれば数百万円もの単位で優遇を受けられる可能性があります。くわしく見ていきましょう。
【補助制度】
現在において補助金・助成金が交付される制度は以下の内容が挙げられます。
・既存住宅における断熱リフォーム支援事業
・高齢者住宅改修費用助成制度
・子育て支援型共同住宅推進事業
・長期優良住宅化リフォーム推進事業
・地方自治体による補助制度
参考:国土交通省|住宅リフォームの支援制度 ※令和5年6月16日時点
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_fr4_000087.html
補助制度は年度により頻繁に内容が変わり、申し込みのタイミングが限られているものも多くあるため注意が必要です。
【減税】
マンションをリフォームする際には、減税措置が取られることもあります。
利用できる減税方法は以下4つの通りです。
・住宅ローン減税
・特定のリフォーム(耐震、バリアフリー、省エネ、長期優良住宅化など)に対する減税
・固定資産税の減税
・贈与税の減税
【住宅ローン優遇制度】
住宅金融支援機構では以下の融資商品を扱っており、リフォーム工事の際に借入金利引き下げの優遇を受けられます。
・『フラット35 リフォーム一体型』
・『フラット35 リノベ』
・『リ・バース60』
複数社から見積もりを取る
マンションのスケルトンリフォームの成功は、リフォーム会社の力量にかかっているといっても過言ではありません。
間取りやインテリアの提案力、材料や設備への知識、予算内に納めながら希望を叶えるマネジメント力、そして近隣への配慮など、総合的なレベルの高い会社が理想的です。
しかし、インターネットやカタログの閲覧だけでは実情が分からないことがほとんどでしょう。
リフォーム会社に見積りを依頼することは、単純に費用を把握するだけでなく、対応やサービス内容を確認する絶好の機会です。ぜひ対面で打ち合わせたうえで複数社から見積もりを取り、比較・検討しましょう。
こだわり箇所を絞り込む
リフォームですべてのグレードを落としてしまうと深い後悔につながる可能性が高まります。コストを見直す際は、ぜひ自身の「譲れないポイント」を確認しましょう。
希望する内容に優先順位をつけて妥協点を見つけることも大切です。
例えば、キッチンは憧れのメーカーを採用する代わりにユニットバスはオプションなしのスタンダードモデルにするなど、こだわりたい箇所を絞り込みましょう。マンションのスケルトンリフォーム時の注意点とは?
マンションをスケルトンリフォームする際には、戸建て住宅などとは異なる独自の注意点があります。くわしく見ていきましょう。
共用部分のリフォームはできない
共同住宅であるマンションでは、個別のリフォームができるのは「専有部分」に限ります。
一方の「共用部分」は、廊下や階段、エレベーターなどが挙げられますが、意外な場所が共用部分となっていることに注意が必要です。
各戸の窓やベランダ、玄関扉なども実は共用部分で、マンションによっては全館空調システムによる室内の吹き出し口も共用、というケースがあります。
共用部分への改修は禁止されているため、場合によっては希望通りのリフォームが実現できない可能性があるのです。工事可能な範囲をはっきりと認識し、リフォーム会社と情報を共有することが重要です。
マンションの規約確認は必須
マンションによっては、規約でリフォームの範囲や使用できる建材に制限を設けている場合があります。
例えば、騒音防止のために、躯体への壁打ち・穴開けや音が響きやすいフローリングへの変更を禁止しているケースなどが挙げられます。
規約によってはスケルトンリフォームができない可能性もあるので、リフォームを検討する段階で管理規約や契約書に記載されている規則を細かく確認しましょう。スケルトンリフォームに特化した会社を選ぼう
上記に述べたように、マンションのスケルトンリフォームは制約事項や近隣配慮など、集合住宅ならではのノウハウが必要です。トラブルなくスムーズに工事を進めるためには、マンションのスケルトンリフォームに特化した会社に依頼することが重要です。
実績の確かな会社であれば、デザインの提案だけでなく予算内に納める工夫など、経験に基づいたアイデアを数多く展開できるでしょう。
まとめ
マンションをスケルトンリフォームする際の費用相場は、平均的な広さの60~70平米程度であれば600万円~1400万円です。
一般的なリフォームとは異なり、大規模な解体、新たな下地づくり等に費用がかかるため、比較的高額になります。
スケルトンリフォームの費用は会社選びによっても大きく変動します。コストだけでなく、デザインや設備の内容など、自身の希望条件に優先順位を付け、出来る限り理想を叶えてくれると確信できるリフォーム会社を選びましょう。
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